ニューアルバム"Reborn"
Reborn=(精神的に)生まれ変わった,再生した
このアルバムについて何か書こうと思った時、
まず、日本を出て、アメリカに来た理由から始めないといけないと思った。
数年前、日本で音楽をやる事に限界を感じ始めている自分がいた。
なぜ、あんなに好きだった音楽を、こんなに辛い思いをしながらしているんだろう。
自分の仕事としてやっている音楽にワクワクしない。こんなはずじゃない。
”こんなの歌いたくない。”
そんな思いが募るほどに、今まで自分が仕事としてやって来た様な音楽とはどんどん離れて、クラシック音楽ばかりピアノで弾いたりしている自分がいた。別にその道のプロになりたい等は微塵もなく、夢中になって弾いている間は、今の自分を忘れられる様な、それは一種の現実逃避だった。
自分は何がしたいのか。そもそも音楽を続けたいのか、やめたいのか。
とにかく、このままじゃ絶対にダメになると思った。
そんなとき、ふと頭をよぎった、
”ニューヨークに行こう”
はじめて来たのは、19歳の時。
アメリカはLAに続いて2回目で、当時、僕の5枚目のシングルのジャケット撮影で来た。
その時から、漠然と感じてたんだ。”いつかここに住むんだろうな”って。
空気が自分に馴染む。
そんな事を、はじめて感じた場所だった。
そしてその二年後、今度は一人でこの土地を、もう一度踏んだ。
今度はスタッフもいなく、自分の思うように行動して、正直ここではかけないくらい危険な目にも遭ったりした。でも、なんでも来るなら来い、すべての経験を受け止めてやる、と思った。
そして、音楽に触れた。そこには小さい頃から、自分が憧れていたものがあった。
ものすごく心が躍った。これをずっと毎日聴いていたい、歌っていたいと思った。
その思いはずっと僕の心の中にあって、薄れなかった。
そして2009年、この時、四度目のニューヨークを訪れたとき、
”自分の心に正直に生きたい”と思った。
日本でお世話になった事務所を離れ、一からチャレンジしよう。
何も怖いものはないじゃないか。
当時の日記にこんな事を書いていた。
”やらない後悔は絶対にしたくない。この先もずっと。
だから、みんなにもしばらく日本で会えなくなります。
やっぱり人だから、離れてしまったり、忘れてしまったりすると思う。
でもまた何度だって出会えばいい。
今はそう思える。
前を向かなきゃ未来は見えてこないし。
まだまだ知りたいことが、感じたいことがたくさんあるんだ。”
自分が小さい頃から、憧れを持って聴いてきた音楽を、歌ってみたい。
もっと世界を感じたい。世界の人に僕の音楽も聴いて欲しい。
そんな想いを持って、日本で思いの丈を全て詰め込んだ最後のアルバムを完成させて、2010年の1月、ニューヨークに渡った。
それから、自分の人生はもの凄い勢いで、変わっていったと思う。
死に物狂いで英語を勉強して、ゴスペルを毎週歌いながら、色んな出会いを積極的に求めて、探して走った。悔しい、恥ずかしい思いもたくさんして、それだけに達成したときの充実感も何倍にもなった。震災で地元が被災して、日本に帰る感覚も今までとはすごく違った。なにか使命感の様なようなものを強く意識するようになった。
生きてる実感が甦って来た。枯れかけていた”自分の音楽”への情熱が、どんどんみなぎってくるのを感じた。
”今なら、自分の音楽がここで作れる。”
それは、ここで経験した事が、心の中のある一定の水嵩を超えて溢れ出て来た様な感じだった。
それから、どんどん溢れてくる想いが言葉になり、感情の揺れがメロディーになって。
1年半かけて、このアルバム"Reborn"が完成した。
タイトルは、一番最初から決めていた。これしかないと思った。
まさに、生まれ変わって、再生していくそのプロセスがこのアルバムにそのまま投影されてる。
そして、このアルバムの一つ一つの音、全て僕が作っています。だから単に音というよりは自分の一部が共鳴してる様な感じで。
是非聴いてみて欲しいです。
iTunes JAPAN: https://itunes.apple.com/jp/album/reborn/id681221130
iTunes US: https://itunes.apple.com/us/album/reborn/id681221130
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